物語の作り方と題して、こちらのブログでは物語を「世界観」「キャラクター」「構成」と分けて考えてきました。
今回はそれらの細かく分けた要素を少し掘り下げてみましょう。
この記事では「世界観」についての考察となります。
各々をまとめて取り扱っているのは下記の記事となりますので、先にそちらをご覧いただければ円滑な理解がしやすいと思われます。
ぜひそちらを御覧頂いたあとに、本記事を読んでいただければと考えております。
世界観とは?

まず最初に世界観について考えていきます。
前述の「物語の構成」の記事でも触れているのですが、この記事における「世界観」は、下のような意味になります。
世界観はいわば、「作品の舞台」と言い換えることも出来ます。
世界観の上にキャラクターが乗っかっており、そこからキャラクターが織りなすストーリー性が物語となっていくようなイメージをすると分かりやすいでしょう。
世界観は、作品におけるすべての土台になる部分であるといえます。
具体的に世界観を作るというものは、プロアマ問わずそれぞれの違ったノウハウがあるかと思われます。
筆者もまた、世界観を作るうえで、色々なやり方を模索しているのですが、この記事では具体的な作成方法というよりも、具体例を中心に考えていきたいと思います。
その前に、この記事では筆者が感じている「世界観のルール」についてまとめさせていただきます。
- 世界観はキャラクターと矛盾してはいけない
- 世界観はあらゆる設定を自由に決めることができる
- 世界観は必ずしも現実と同じものでなければいけないわけではない
- 複数の世界観を共存させる事もできるが、キャラクターの動きは従属する世界観に矛盾しないようにする
これらの世界観はあくまでも筆者が感じている個人的なルールです。
むしろ、創作というものが自由なものであるという前提を置けば、これらのルールも飛び越えた作品もあるかも知れません。
しかしながら、このブログでは一つのルールとして、今回はこれをルールとしてまとめさせていただきます。
フィクションとノンフィクション

世界観について考えるときに、大きく二つに分けることが出来ます。
それが、世界観のベースを「フィクション」にするか「ノンフィクション」にするかです。
いわば現実世界をモチーフにしているかしていないかということなのですが、これにはそれぞれ良い面もあれば悪い面もあります。
具体的には下記のようなことが考えられます。
フィクション
ノンフィクション
フィクションを扱うにしても、ノンフィクションを扱うにしても、世界観を構成するうえで、それぞれの骨子と特徴を押さえておくことはとても大切になります。
それではそれぞれの特徴をより深く考えていきましょう。
フィクションの世界観について

まずはフィクションの世界です。
フィクションの世界観を一言で表現するなら「ファンタジー世界」といえます。
フィクションの世界は具体的に下記のようなジャンルの作品であることが多いです。
- ファンタジー
- SF
- 冒険譚
小説のジャンルとしてみれば、現実の世界観では表現の難しいジャンルで多く用いられる世界観です。
文字のみで作品を描写する小説の中では、全体的に動的な描写がなされることが多いと言えます。
フィクションの世界観では、前述の通り「世界を一から設定することができる」ということが最も大きな強みとなり、また難しい部分となります。
例えば、書きたい作品として下記の要素があるとしましょう。
これらのような要素を現実的な世界で考えるとかなり無理が出てきます。
具体的に言うと、下記のように理由付けができることになります。
創作において、用いたい展開や設定等に関しては、もちろん尊重されるべきものなのですが、世界観と衝突しないことが最低限必要になります。
世界観をファンタジックなものにするということは、そのしがらみをある程度緩和することが出来ます。
フィクションの世界観の取り扱いについて
ファンタジー世界観の最も大きな扱いの難しさは、「自由ゆえの制限のなさ」です。
すべてのものを0から構成することができるというところは、ファンタジー世界の最も大きな部分になります。
しかし、これは逆に世界観が膨らみすぎて収束がつかなくなるという危険性も持っています。
また、世界観を作る時、細かな部分でアラが目立つと作品として大きなノイズになってしまう可能性もあります。
ファンタジー世界というものは、知識と構成力が必要になります。
世界の構成というものは、想像以上に複雑で考えることが多いものです。
具体的には下記のような要素が考えられます。
世界を構成するもの
- 言語
- 歴史
- 生態系
- 国政
- 自然体系
ファンタジー世界を構成する場合は、最低限上記のような内容を踏まえておく必要があります。
というより、これらの細かな要素を考慮しておかないと物語の構成で足を引っ張ってしまうことになります。
ファンタジーの世界を考える場合、細部のこだわりはより深く持っておくことが大前提となります。
このような点から、ファンタジックな作品づくりはハードルがかなり高いと言えます。
ノンフィクション(現代的)な世界観の取り扱いについて
ファンタジー世界に対して、現代的な世界観は取り扱いがまた異なります。
現代的な世界観は、ファンタジー世界とは異なり、先述のような世界的基盤を考える必要はありません。
ないというよりも、既に存在しているものからどれくらい発展させるかがポイントになるかと思われます。
現代的な世界観は、作者の取材力が最も現れます。
小説で物語を作っていく時に、必ず細かな部分に拘る必要が出てきます。
具体的には下記のような部分で、取材力の必要性が出てくるでしょう。
作中で必要なシーンにおいて、現実ではどのようにして扱われるのか
キャラクターの細かな心理描写について
登場する専門分野の振る舞い
作品は、作者の想像力で物語を作っていくことになるものです。
そのため、どうしても物語の都合で、「こういう時はどうなるか?」を考えるタイミングが出てきます。
現代的な世界観では、それらの細かな部分が強いノイズになってしまうことがあります。
現代を過ごす人間にとって、自分の身近な世界観で行われる物語は、些細なことがすぐにノイズになってしまう傾向があります。
そのノイズを最小限に留めるため、取材というものはどうしても必要になってきます。
そのため、現代的な世界観を作る時は取材力が重要な要素です。
キャラクターと世界観を矛盾させないために

世界観について様々な考察をしてきましたが、最も大切なのは、「キャラクターと世界観の矛盾のなさ」だとこのブログでは結論付けます。
いわば物語とは、キャラクターが織りなすストーリーであり、作品そのものであるとも言えます。
故に世界観とのノイズは最小限に抑える必要があることから、「世界観」と「キャラクター」はとても大切です。
今回はまとめとして、下記のようにまとめさせていただきます。
本日のまとめ
- 作品の世界観は「フィクションベース」と「ノンフィクションベース」に分類できる
- ファンタジー世界は作者の知識がとても重要になる
- 現代をベースにした世界は取材力がとても大切
- キャラクターと世界観は矛盾させないように
今回は「世界観」について考察してみました。
世界観の作成は物語を作るうえで基盤となるものですが、そこの部分について、個人的に考えていることをまとめていました。
これらの内容に対しては、様々な考え方があるかと思うのですが、あくまでも私個人が考えている世界観についてのものはこのようになります。
創作をされる方の参考に少しでもなれば幸いです。